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コンセプトは「MADE IN FUKUOKA」。リニューアルされた一風堂1号店のユニフォーム

2015年12月、一風堂第1号店にあたる大名本店のユニフォームがリニューアルされました。単にデザインを変更したのではありません。それは、一風堂のルーツである福岡に感謝と敬意を込めて「MADE IN FUKUOKA」のコンセプトを掲げ、一風堂が福岡でひたむきに“ものづくり”を行う人々の豊かな才能を表現する「舞台」になることを目指した地元コラボレーション。伝統と革新が共存する大名本店のユニフォーム、その舞台裏をのぞいてみました。

WORDS by SHOTA KATO (OVER THE MOUNTAIN)

大名本店のユニフォーム

地元福岡の才能を発表する舞台になりたい

こんにちは!IPPUDO OUTSIDE編集部の加藤です。自分がいちばん輝ける「舞台」、誰にでもひとつやふたつ、あるのではないでしょうか。私にとっての舞台、それはまたの機会に披露させていただくとして、今回は一風堂の「舞台」のお話から。

一風堂は1985年、一人のお客様に一杯のラーメンで “ありがとう” を表現する「舞台」を目指し、福岡市中央区大名で産声を上げました。それから30年。世界中で1日に約5万人のお客様が来店するまでに育った一風堂は、原点である「福岡」への恩返しとして、福岡に存在する多様な才能がお披露目される「舞台」になりたいと考えたそうです。その表現手段は「ユニフォーム」。地元が誇る重要無形文化財の「久留米絣(くるめかすり)」を使い、地元でファッションを志す学生がデザインし、世界品質を誇る地元職人が縫製、地元で育ったスタッフたちが身にまとうという、地元福岡のクリエイターコラボが誕生しました。

このコラボのはじまりは2015年5月。福岡県福岡市に拠点を置く大村美容ファッション専門学校のファッション科の全学生を対象に、授業の一環として一風堂大名本店の新ユニフォームデザインコンテストが開催されました。福岡の重要無形文化財「久留米絣」の200年を超える歴史や豊富な色柄を学び、一風堂の理念や特徴も頭に叩き込んだ状態でオリエンテーションを実施。学生と同世代の大名本店アルバイトスタッフからユニフォームに求めるデザイン・機能などをヒアリングしました。学生たちはそれぞれに一風堂を研究し、飲食店のユニフォームの現状を調査。教員からのアドバイスを受けてデザインを考えぬき、集まったデザイン案は170を超えたのでした。

170の案の中から採用されたデザイン

これらを一風堂の運営会社である株式会社力の源カンパニーのプロジェクト事務局と、一風堂大名本店のアルバイトを含む全スタッフが厳正に選考。結果、ファッション科1年生の福永桃子さんのデザインが採用されました。このとき、福永さんは弱冠19歳。

新たな未来を紡いでいく、伝統と革新が共存するユニフォーム

8月末に開かれたプロジェクトキックオフミーティングの翌日、福永さんは創業117年の野村織物を訪問。職人が手仕事で紡ぐ製造工程を見学したのち、100を超える久留米絣の柄の中から、伝統的なものと革新的なものの2種類をセレクトしました。

革新的な久留米絣

福永さんが久留米絣と一風堂、伝統工芸とラーメンに打ち込む姿勢から受けたインスピレーションと、日本の服づくりを革新し、AERA「日本を動かすベンチャー100」にも選ばれたシタテル株式会社のサポートによって、デザインはさらに進化。そして海外の有名ブランドも手掛ける久留米市のアパレル工場でつくられたサンプルを、一風堂スタッフが試着。着用感や縫製強度などのフィードバックを経て、12月より大名本店にて着用されることとなりました。福永さんはユニフォーム制作を次のように振り返ります。

ファッション性や働きやすさにこだわり

「一風堂の『男性的なカッコよさ』からスーツとハットをイメージし、木の重厚感のあるインテリアの大名本店に似合う色づかいや、襟やハットの形状などのファッション性、働く作業着としての動きやすさにこだわりました。男女ともに似合う、カッコよくて印象に残るデザインを目指したので、同世代のスタッフさんが私のデザインを選んでくださったのがすごくうれしいです」

コンセプトはMADE IN FUKUOKA

30周年という節目にリニューアルされた一風堂 大名本店のユニフォーム。その背中には、福岡が誇る伝統工芸の老舗と福岡の才能豊かな学生デザイナーらが深く向き合い、コンセプトに掲げた“MADE IN FUKUOKA”を見事に成し遂げた熱い想いが込められていました。伝統と革新が共存するユニフォームは、一風堂 大名本店という「舞台」の新たな未来を紡いでいくのでしょう。

福永桃子

DESIGNER

福永桃子

Momoko Fukunaga

1996年9月、鹿児島県枕崎市生まれ。大村美容ファッション専門学校ファッション科デザイン・パターン・ベーシックコース1年生。マイリー・サイラスや2NE1などの比較的アップテンポな曲を聴きながらデザインを考えることが多い。モスキーノのデザイナー、ジェレミー・スコットの奇抜な発想やカラフルな色使いに影響を受ける。

加藤将太

WORDS by SHOTA KATO
加藤将太 / OVER THE MOUNTAIN

IPPUDO OUTSIDE 編集担当。1981年、山梨県生まれ。紙・ウェブ媒体の企画・編集・文章執筆からイベント・番組の司会進行まで幅広く担当。2011年3月にウェブマガジンCONTRASTの立ち上げに携わり、2013年7月より世田谷は松陰神社商店街のシェアオフィスを活動拠点とする。2014年10月には自営業の屋号として「OVER THE MOUNTAIN」を開設。今日も明日もこれからも「ひと山を越え続ける」。

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