IPPUDO OUTSIDE

Journal from IPPUDO spanning the world over

IPPUDO USA

博多から世界へ~IPPUDO NYが創り続ける
“JAPANESE WONDER”とは?

2008年3月に海外1号店となるラーメンダイニング「IPPUDO」をイーストビレッジにオープンして以来、マンハッタンの地に“RAMEN”を浸透させてきたIPPUDO NYチーム。エンジニアードガーメンツによるユニフォームや、マーベルとのラーメンイベントなど様々なサプライズを生み出してきたこの店で働く者たちは、世界屈指の飲食店が熾烈な競争を繰り広げるこのニューヨークで支持されるために何を見据え、何をしているのか?現地レポートをお届けします。

WORDS and PHOTOS by TOMOHIKO HARA(CHIKARANOMOTO PR)


IPPUDO EAST VILLAGE
そこはまるで、ラーメンも食べられるライブハウス

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土曜日の14:20。日差しは強いのに、頬を刺すような寒風が吹きすさぶマンハッタンのイーストビレッジで、マフラーをぐるぐる巻きにして歩く人たちが、一人また一人とドアを開けて一風堂の店の中へ入っていきます。バーを備えたウェイティングスペースには、お待ちの男女が30名様ほど。サッと食べてパッと帰る日本式のラーメン店なら平均滞在時間は20~30分ですが、ここはお昼でも2〜3名で会話を楽しんでラーメンを召し上がる方が多いので、だいたい60分が平均滞在時間。一日約1,000人のお客様を迎える店の入口は、席に案内される順番をお待ちの方々で溢れていました。客席エリアに続くほの暗いアプローチを抜けると、目の前にパッとオープンキッチンと広い空間が!アップビートな曲が流れる中、調理スタッフ同士の掛け声や、キビキビと動き回るホールのスタッフの声が混ざり合って、そこはまるでライブハウスのようでした。
スタッフ同士の基本用語は日本語。「9番さん、ラーメン出ます!」、「お願いします!」など、母国語でない日本語を流暢に使いこなす現地スタッフから発せられる声による活気が、この店の磁力の一つとなっています。その日のお客様の構成は6割が欧米系、4割がアジア系といったところ。お一人でビールと「白丸元味」を召し上がっていた50代と思しきご婦人はニューヨーク在住とのことで、サングラスを頭の上に掛け、上手に箸を操りながら、「マンハッタンに来たら、いつもここでラーメンを食べるのよ。ラーメンのお店は増えて来たけど、私はここのオープンな雰囲気が好きなの」と微笑んでくれました。

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至極のエスプレッソも楽しめる
IPPUDO WEST SIDE

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1号店のイーストビレッジから地下鉄と徒歩で20分ほど離れたWest 51 Street沿いに2013年にオープンしたのが2号店のIPPUDO WESTSIDE(ウェストサイド)。外からも見える、入口すぐのウェイティングバーにはイタリアFAEMAのエスプレッソマシンが導入され、「ブルックリン・ロースティングカンパニー(BRC)」の豆で淹れたエスプレッソを1杯3ドル、ラテを1杯4ドルで提供しています。BRCのバリスタから技術を教わった一風堂のスタッフが丁寧に淹れるエスプレッソは、ここがラーメン店であることを感じさせないくらいハイレベルな、なんとも幸せなアロマを感じる一杯。しかも、バリスタのエプロンはラルフローレンのビンテージライン「RRL(ダブルアールエル)」がIPPUDOのために特別につくってくれたものとのことでまたビックリ!これを飲みながら順番を待つ方も多いですが、コーヒーのテイクアウトだけのご利用も広まってきています。
ウェイティングバーの奥にある客席は2つのゾーンに分かれていて、コの字型のカウンターにハイチェアのゾーンは、1~2名様でクイックにおつまみやラーメンを楽しみたい方向け。もう一つのローテーブルのゾーンは、グループでゆったり過ごしたい方向けで、ローテーブルのお客様たちは日本らしい一品料理を楽しんでいました。

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両店に共通するメニューコンセプトは
“THE JAPANESE”

ニューヨークの一風堂が他のラーメン店と違うのが、ラーメンダイニングというスタイルを採ったこと。アルコールとおつまみと一緒にラーメンを楽しむこのスタイルは、現地で高い支持を得ています。看板おつまみ(signature appetizers) は、一風堂バンズ、手羽、サラダ、US和州牛のタタキ。それ以外にも、枝豆や爆裂豆腐、マグロタルタル、中洲すき焼きに豚バラ串などもあり、日本のビールが6種、ワイン4種、焼酎4種、梅酒、日本酒は17種とドリンクも充実。2016年末のグランドメニュー大改編により、“日本らしさ”をより一層強調した構成に変わりました。
ラーメンは日本でもお馴染みの「白丸元味(Shiromaru Classic)」、「赤丸新味(Akamaru Modern)」、「からか麺(Karaka Spicy)」に加え、動物性食材を一切使っていないニルヴァーナというシリーズもあります。赤丸新味と見た目はそっくりなのに動物性食材を一切使用していない「赤丸ニューヨーク」(16ドル)は、チャーシューの代わりに厚揚げ豆腐のスライスをのせ、スープを口に含むと胡麻の風味がふわっと広がる味わい。担々麺のスープを少し軽くした感じなのに旨みもしっかり感じられて、「ベジタリアン向け」と限定されたくない想いを「ニルヴァーナ(煩悩のない、悟りの状態)」という名前に込めていました。同じく人気なのが、一風堂バンズ。「NYで食べるべきバンズ」などのランキングには必ずその名が挙がるほどの人気で、ポーク、チキン、ベジの3種類がありますが、今回はベジタブル(2個8ドル)をチョイス。これはBuzzFeedの「NYのベジタリアンが死ぬまでに食べたいリスト」にも載ったほどで、ナスとキノコに衣をつけて揚げた、肉と錯覚するほど歯ごたえとジューシーさの豊かなこのバンズに肉よりも満足感を覚えるというお客様も多いそう。主義や嗜好に応じられる選択肢を揃えておくことは、いろいろなお客様に来ていただけることにつながるんですね。

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ニューヨークが生んだ新しいスタイルのラーメンバー
“KURO-OBI”

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一風堂とはまったく異なる表現でRAMENを浸透させていきたい-。そんな想いでニューヨーク・マンハッタンの地で2015年に生まれ、現在3店舗を展開するのが、RAMEN BAR “KURO-OBI”(黒帯)です。ニューヨーカーにとって一風堂は、「フルサービス、行列、ちょっと非日常」というイメージを持たれているため、これを覆してもっと日常的にラーメンを楽しんでもらうために、カウンタースタイルのコンパクトな店舗で、注文から3分程度で提供できるリーズナブルなRAMEN BARとして開発されました。スープはクリーミーな鶏パイタンで、麺は中太麺。メニュー構成も黒帯、赤帯、茶帯、白帯、黄帯と色で分類されています。1号店は2015年3月にタイムズスクエアにあるスタイリッシュなホテル「Row NYC」内2階のフードコート「シティキッチン」の中に誕生。その翌年の2月に、歴史あるグランドセントラル駅横の高架下のフードコート「URBAN SPACE」内に2号店がオープンし、2017年5月にチャイナタウンとSoHoの間にある目抜き通りのキャナルストリート沿いの、雑貨店と飲食店が集うおしゃれなフードホールの中に3号店がオープンしました。

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URBAN SPACE にはKURO-OBI2号店の他にも、ドーナツやピザ、スシブリトー(海苔巻き)、スープにタコス、ロブスターロールにコールドプレスジュースなど、バラエティ豊かな店が屋台のように並んでいます。2017年6月には鶏を使わないベジタリアン向けの味噌ラーメン「黄帯」も加わり、選択肢がさらに増えました。KURO-OBIには多くのビジネスマンたちが並んでお待ちでしたが、コンパクトなブースの中で働くスタッフたちの動きは速く、次から次へと商品が手渡されていきます。共用テーブルでスマホを見ながら立って食べる方もいれば、テイクアウトする方もけっこうな数になるのだとか。「時間がないからオフィスで食べるんだ。すぐ近くだから」と慣れた様子でカップが入った袋を手に、颯爽と道を渡っていくビジネスマンの姿は、この街でRAMENが確実に浸透していることを物語っています。

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WORDS by TOMOHIKO HARA
原 智彦 / CHIKARANOMOTO PR

大小の広告会社で「どうしてもこれが欲しい!」と求められる”ブランド”をつくるために、国内外の様々な手法で成功や失敗を重ねた後、食いしん坊が高じて食に関わる業界に転身。2013年に力の源グループに入社し、日本の食と文化の魅力を世界中に広めるために奔走中。好きな言葉は「#面白い仕事はつくれる」

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