IPPUDO OUTSIDE|ラーメンや一風堂にまつわる“ヒト・モノ・コト”にフォーカスするウェブマガジン

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福岡発の映画『ガチ星』×一風堂が緊急コラボ!
監督・江口カンさんと主演・安部賢一さんインタビュー。

もがけ、もがけ、もがけっ――。スクリーンに映し出されたのは、汗をほとばしらせながら練習に励む競輪選手たち、厳しい鬼教官、激しいレースの様子…。福岡に拠点を構える映像制作会社 「KOO-KI」のディレクターを務める江口カンさんの初監督映画『ガチ星』。福岡・中洲大洋での公開を翌日に控えた4月6日(金)の夜、「一風堂 天神西通りスタンド」で、江口監督と主演の安部賢一さんを招いたトークイベントが開催されました。満員となった店内では、一風堂がこの映画をイメージして開発した「ガチ星ラーメン」が提供され、来場者はラーメンとともに映画の制作秘話を楽しみました。



Words by Mayuu Yasunaga/Photos by Koji Maeda(Ushiro)

人生崖っぷち・ダメ男の再起を描く映画『ガチ星』

江口カンさんは、東京五輪招致映像のクリエイティブ・ディレクションを務めるなど、福岡を拠点に世界的な活躍をしている映像ディレクター。そんな江口さんの初監督映画『ガチ星』は、競輪発祥の地・北九州小倉を舞台に撮影されました。

福岡から世界へ――。『ガチ星』に想いを込めた江口さんの姿は、一杯のラーメンを世界中へ届ける一風堂と大いに共鳴するものがありました。江口さんの作品、思考、想像力。そのすべてを知り、たくさんの人に伝えたい。一風堂の渾身の一杯で敬意を表し、作品を応援したい。そうして、今回のコラボレーションが実現しました。

ガチ星

主演の安部さんは、役作りのために体重を10㎏も増量したという。

映画『ガチ星』は、戦力外通告を受け、人生のどん底にいる元プロ野球選手の主人公・濱島が、競輪選手として再起を賭ける人間ドラマ。家族との別居、ギャンブル、借金、不倫…。暗く澱んだ谷底から這いあがろうと苦しみ、悩み、必死に生きる40代のダメ男が、人生の再スタートを切る“もがき”を描いた作品です。未来ある競輪学校の10代の学生たちのみずみずしさと、やさぐれた中年男・濱島の焦燥感が対比的に描き出されています。

ガチ星

競輪場での激しいレースの様子が、迫力の音と映像で描かれる。

そんな主人公・濱島を演じた安部賢一さんは、さらりとしたきれいな黒髪に、さわやかな笑顔がトレードマーク。ダメ男・濱島の雰囲気とはかけ離れた、スレンダーなイケメン俳優です。この人物をダメ男に仕立てあげた江口監督は、一体どんなマジックを使ったのでしょうか。

40代、鳴かず飛ばずの役者を集めろ!
浮かない「ダメ男」オーディション

配役はオーディションで決まったんですよね。

江口:脚本家と話して、濱島と同じような境遇の俳優を探したいというのは最初から決まっていたんです。40代であまり売れていない、鳴かず飛ばずの役者を集めてくれ。そういうオーダーでオーディションを開催したのが2016年1月でした。多分40、50名くらいに集まってもらったのかな。
安部:オーディションで演じるシーンが激しいシーンだったということもあって、現場はものすごく緊迫した雰囲気でした。僕自身も、この作品でダメなら役者を辞めようと思っていたので気合いは入っていたのですが、あいにく風邪気味で…。
江口:本当にそれが不合格の原因(笑)? まあ、僕の現場はもともと「厳しい」って定評があるみたいだから(一同笑)。結局その時は「コイツだ」と思うヤツを見つけられなくて、全員その場で不合格。安部ちゃんは、お父さんが競輪選手だって言ってたし期待はあったんだけど…。主役不在のまま、翌日の映画のロケハンに進むことになったんです。

江口 カン
福岡県出身、九州芸術工科大学卒業。‘97年にKOO-KIを共同設立し、ドラマやCM、短編映画など、エンターテインメント性の高い作品の演出を数多く手がける。’07~’09年、カンヌ国際広告祭で3年連続受賞、‘13年には東京五輪招致PR映像のクリエイティブディレクションを務める。同年、ドラマ「めんたいぴりり」の監督を務め数々の賞を受賞。同作は新たに映画化され、2019年1月の公開を予定している。


安部 賢一
大分県出身。中学までは野球をやって高校でも甲子園を目指すが、怪我で断念。卒業後は競輪選手の父に憧れ、自分も競輪選手になろうとするが挫折。その後、役者への道を進むが長い下積み生活が続く。本作の脚本に出会い「濱島を演じるのは俺しかいない。この役が決まらなければ役者をやめる」と背水の陣でオーディションを受け、主演を勝ち取る。


「コイツと心中しよう」
3度目の正直で射止めた主役の座。

不合格だった安部さんがどうして主役に?

江口:1回目のオーディションの翌日、競輪学校でのロケハンのときに自転車を漕げる人が必要になって、現場に来てもらったんです。
安部:体調が良くならないままでしたが、覚悟を決めて現場に入りました。
江口:演技指導もしながらロケハンを進めていたのですが、全然ダメでね。最終日の早朝、安部ちゃんを呼び出して「ないわ」と伝えたんですよ。そしたら泣き出しちゃって…。
安部:このままだと役者人生が終わって故郷の大分に帰ることになる。このままじゃ終われない。何とかもう一度チャンスが欲しいという気持ちが涙になったんです。必死で訴えたら、スタッフの方が「来週もう一回東京でオーディションやるから、来てもいいよ」って。
江口:今だから正直に言うと、期待もあったから競輪学校に連れて行ったのにダメだった。それでも泣き出しちゃったから、仕方なく最後のチャンスを与えたら、3度目のオーディションではものすごく良くなっていたんです。本当に後がなくなって、何かを捨てたのがわかった。瀬戸際に立ったときに変われる人。よし、コイツと心中しようと思ったんですよ。

ガチ星

オーディション時のダメ出しを思い出し、苦笑いの安部さん(笑)。

人生のすべてをぶつけた演技
男たちの情熱でできた『ガチ星』

濱島の役作りはどのように?

江口:濱島の内面の描き方は、実際にプロ野球選手を戦力外になって競輪選手へ転身した方のインタビューを参考にしました。輝かしいプロの世界を見てきた選手たちは、野球選手としての頂点を経験している。そのトップから「落ちる」人生について深く考えました。
安部:表情のつくり方は、毎日LINEでやり取りをしていましたね。僕が写真を送って監督に見ていただく。たとえば、濱島はどんな笑顔なんだろうと考えて表情をつくって、写メを送るんです。
江口:最初は全然ダメだったよね。もとがさわやかで、よく笑うタイプだから。濱島を演じるには、とにかくずっとイライラしているように伝えました。
安部:自分の人生を振り返って、そのすべてを表情に出せ、という指導は一番重たかった。自身の役者人生や、疎遠になっていた父との関係も思い起こしながら、演技に落とし込んでいったんです。
江口:結局、安部ちゃん自体がリアルな「ガチ星」だったよね。
安部:まさに、人生すべてを賭けた作品になりました。

ガチ星

1週間限定でコラボメニューを販売
一風堂が見せた『ガチ星ラーメン』とは?

この日のトークイベントでは、映画の公開を記念して、期間限定の特製「ガチ星ラーメン “ガチ飯付き”」を提供。商品開発を担当した、力の源カンパニー商品開発グループのグループリーダー・栁本啓輔さんに話を聞きました。

ガチ星
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こちらが「ガチ星ラーメン」。低温調理した山盛りチャーシューに辛みそを添えています。爆弾おにぎりもボリューム満点。

『ガチ星ラーメン』はどんなコンセプトで作られたんですか?

栁本:一風堂には、創業時の特濃スープを再現したラーメンを提供しているSHIROMARU BASEというブランドがありますが、それよりも前の、創業者が修業時代に作っていた、今は「ゼロ」と呼ばれる豚骨スープがあります。コクが出る前の若々しい、香りが引き立つスープです。濱島の状況はまさに“ゼロ”からのスタートということで、今回はこのスープを採用しました。

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日本とアジア諸国の一風堂の商品開発を一手に担う、栁本啓輔。

山盛りのチャーシューや爆弾おにぎりもインパクトありますね。

栁本:渾身の塩チャーシューは、映画の中にも出てくる競輪学校の坂道になぞらえた「肉の坂道」です。爆弾おにぎりは、オリジナルのまかない食のレシピが元になっています。チャーシューの煮汁を使って炊いたご飯に、チャーシュー、明太子、高菜、マヨネーズが入っています。濱島の内面にあるエネルギーを内包させるイメージで、いろんなものを詰め込みました。勝負に挑む男たちを描いた『ガチ星』らしく、ガッつける飯ということで「ガチ飯」と名付けさせてもらいました。
江口:うまい。特に、「肉の坂」がスゴいね。一枚一枚食べていくと坂を登ったような達成感があります。
安部:監督、無心で召し上がりましたね。僕もラーメンは大好きで普段からよく食べていますが、負けました(笑)。

作品の中にも、博多華丸さんが店主を演じるラーメン屋が登場しますね。

江口:僕にとって、ラーメンは欲望の象徴なんです。一度「食べたい」と思うと我慢できない。深夜でも平気で食べに行っちゃいます。劇中でトレーニングのためにラーメンを控える濱島を描いたのは、目の前の快楽にとらわれずストイックに勝負に臨んでいる様子を表現したかったからです。

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トークイベントの様子。一風堂 天神西通りスタンドは立ち見も出る盛況でした。映画の中で、安部さんの妻役を演じた、福岡は大牟田出身の女優・林田麻里さんも飛び込み参加。映画とは正反対の(?)おしどり夫婦ぶりでした。

最後にお二人に、作品の見どころを語っていただきました。

江口:シリアスなトーンで撮ってはいるけど、ある種のコメディだとも思っているんです。人生崖っぷち、必死で頑張る40男。いい歳の男たちが自分の人生を賭けてあたふたする姿は、シリアスすぎて笑えるレベルです。男たちの「もがく」姿を、音と映像が存分に楽しめる劇場版でぜひ楽しんでください。
安部:演じていて特に印象に残っているのは、クライマックスのレースのシーンです。現役の選手たちと並ぶ緊迫感と臨場感。濱島の過去と現在、少しだけ明るい未来。そのすべてが描き出されています。ぜひ注目してほしいですね。

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「映画もラーメンも、一緒に楽しんでください!」

映画『ガチ星』は、福岡中洲大洋での先行上映を終え、2018年5月26日(土)から、東京の新宿K’s cinema、北九州の小倉昭和館を皮切りに全国順次公開されます。公開のタイミングに合わせ「ガチ星ラーメン」も、一風堂 浜松町スタンドで1週間限定で販売決定。「ガチ星ラーメン」を食べて、ぜひ映画『ガチ星』もご鑑賞ください!

 
 

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WORDS by MAYUU YASUNAGA

ライター、編集、企画などの経験を経て2015年に株式会社チカラに入社。グルメ、旅行、経済など 担当する記事は多岐にわたり、企業や飲食店のブランディングにも携わっている。グルメ記事は『 クイッターズ福岡』にて更新中。

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